Rider & Guide Voice -Mizue Hoshi-
-MAXI G30-
MAXIシリーズの中でもFIS(国際スキー連盟)公認のGS(大回転)競技に対応したスキーとしてラインナップに加わったMAXI G30 188cmは、秋庭将之がプロスキーヤーとしての現役当時の技術やノウハウをVECTOR GLIDEの各モデルに注ぎ込んだ原点や想いがたくさん詰まったスキーです。
FISワールドカップ、世界選手権、オリンピックと言った世界最高峰のレースで女子選手が使用するスキー、またファーイーストカップ(日本、中国、韓国、ロシアのアジアシリーズ戦)、全日本選手権、国民体育大会出場選手が使用する用具規定内のスキーとなり、競技者の中でもトップレベルの選手が使用するモデル。
逆に言えば、このモデルを滑りこなせなければ公認レースに出場する事は出来ません。
スキー技術はもちろん、身体能力やどんなスノーコンディションにも対応出来る総合的な能力が要求されます。
VECTOR GLIDEの各モデルのキャラクターでは、“このシチュエーションにはこのモデルのスキー” と言う熟成されたスキーのチョイスがありますが、MAXI G30 188cmは、シチュエーションを選べません。
どんなスノーコンディションにおいても規制されたゲートの中で性能を発揮しなければならないのです。スピードと技術を追求し続ける世界であり、勝利への闘争心と技術への探究心、そしてどんな状況に置いても攻略した先の達成感や喜びや楽しさ、これこそがアルペンスキーの醍醐味ではないでしょうか。

Mizue Hoshi
Photo:Shin Watanabe
私自身VECTOR GLIDEに加わりMAXI G30 188cmの開発に携わった事で、現役当時のあらゆる経験からいくつかのポイントをピックアップ。
何度もテストを繰り返す中で、”アイスバーンで戦う耐久性” や “ハードバーンからソフトバーンまであらゆる条件においての操作性やスキーの撓みのバランスと言った対応力や応用力” そして "スキーの滑走性と加速” を追求。
アイスバーンや急斜面では、力強いグリップ力と撓んだスキーから来る反発がスキーの加速を生み出します。
中・緩斜面では、スキーが縦に走り直線的なラインを捉えスピードを繋げます。
スキー自体が縦に走ろうとする動きと、”ここでしっかりターンを仕上げたい” と言う時の操作もしっかりさせてくれるスキー。
2019年シーズンの札幌国体では、大会バーンは200人滑っても全くコースが荒れないスケートリンクのようなアイスバーンに仕上がりました。恐怖心すら感じる程の固さでしたが、スキーはしっかりグリップしてくれて滑っていてとても安心感がありました。また2020年シーズンの富山国体では、レース前日から当日にかけて大雪となり、大会バーンは1人滑るごとに状況が刻々と変化し大荒れとなりましたが、スキーのバタつきはなく雪面をしっかりキャッチし縦溝や雪質の変化に対応。
たくさんの選手が苦戦を強いられる状況の中でもしっかり結果を残してくれました。
どちらのレースにしても “スキー” と言う相棒を信頼できる性能や関係性はとても重要だと再認識させてくれるスキーでした。

Mizue Hoshi
Photo:Shin Watanabe
また競技用のスキーは、チューンナップの仕方、エッヂ角や滑走面のビベル角、ストラクチャーの種類、Waxなど知識や愛情を注げば注ぐほどスキーの性能と自分の滑りを際立たせてくれます。
また、不定期で変更される用具規定により性能に進化が求められ、新規定が適応となる数年前から開発が始まります。
スノーコンディションはもちろん、規定をクリアしその規定内で最速のスキーへとどんどん進化して行きます。
そう言った意味では、現在のMAXIが熟成されながら、今後どう進化していくかも楽しみのひとつです。
まだまだ競技用スキーとしてはニューフェイスではありますが、Made in JAPANのスキーとして、高校生から社会人までのトップを目指す選手に認知され、たくさんの選手が使用し、結果を残すスキーに成長する事を期待しています。
VECTOR GLIDユーザーの皆様で既にMAXIシリーズを使用されている方へ。
G30 188cmに挑戦したいと言う思いのある方、公認レースに出る出ないは別として、自分自身の技術力を段階的に上げていけるシリーズにもなります。
スピード強の皆様、アルペン最高峰のスキーを是非目指してみてください。
挑戦していく過程で必ず新しい境地に出会えます。
MAXI G30
SIZE: 195 188
SIDE CUT: 102-65-82(193) 100-65-81(188)
RADIUS: 30(195) 30(188)


Mizue Hoshi
Photo:Jun Yamagishi

Text:Mizue Hoshi