Rider & Guide Voice -Makoto Asakawa-

-MASTIFF-

とあるスキー雑誌の1ページに1匹の犬の写真が掲載された。一瞬見ただけでは何の広告かもわからないページだが、そこにはVECTOR GLIDE MASTIFFと書かれていた…

我々VECTOR GLIDEはCORDOVAという刀を足に、己の魂をぶつけて滑り続けていた。しかし、俺が活動ベースにしていた旭川周辺に降り積もる雪は空気のように軽く、時より振りかざした刀が空振る状況すらあったのだ。 「もっと太く強い板がほしい!」VECTOR GLIDEの代表である秋庭にそう伝えた。 大雪山連峰に降る雪を更に快適に楽しむ為にはもっと浮力が必要だった。 ある日カタログ撮影の為旭岳に集結した我々は、圧倒的に軽く、頭まで覆う雪に巡り合った。それはおそらくチームの誰もが初めて出会うような極上の雪だったに違いない。 時は奇声とともに過ぎ去りし、残された感覚は、胸の深くに刻まれた。 まだ興奮覚めあらぬ秋庭が一言「ニセコの雪が重いと言ってた意味がわかったよ…」

Makoto Asakawa

Photo:Key Sato

VECTOR GLIDEの機種は全てが完全なる完成型として世に放たれ、乗る人全てに何かを訴え、感じてもらい、滑り手がそれぞれのストーリーを作り上げていく。 それは必要とされ待ちわびる人達に、100%の感動を感じてもらいたいというブランドの思想であり、秋庭の強い想いでもある。 太い板の構想は秋庭の中にもあったようで、すでに開発テストに乗り出していたように思う。 「できたよ、送るわ」 広告の話に戻るが、写真に起用された犬はマスティフという名前で、主に番犬や闘犬として育てられ、国によっては軍用犬として飼われる犬種である。雄犬は攻撃的な性格でしっかりと管理した飼育が必要だと。 飼い主には忠実で、普段は大人しい性格らしく、向かうものあれば、一心に立ち向かう性格とある。 その力強さのイメージを新しい機種の名前としたのだ。 思えば、誰にでも噛み付いて自分を曲げない俺の性格に、マスティフのイメージも被っていたのかもしれない。 今となっては俺自体がVECTOR GLIDEの番犬マスティフだったりして…。


初代MASTIFF センター110㎜のアウトラインは今も変わらない。グラフィックはベースカラーのブラックにグリーンのロゴ、所有しているユーザーは少ないだろう。 2代目マイナーチェンジ エッジ素材VMSEが変わり、芯材もSLCに変更。 MASTIFF WOOD 限定モデル 20台限定のwoodモデル。自分も手にした事が無い。その20台の行方は… メタルモデル V-METALを採用した事により、力強さが格段に向上し、走破性が増した。言うなれば、闘犬から軍用犬に進化したモデル。2291と旭岳の標高が記されたモデルは、開発の鍵となった旭岳の、あらゆる状況下においても負けないという想いも込められている。 カーボンモデル V-METALからV-CRBNに変化した事で軽量化した。しかし、ただ軽量化した訳では無く、メタルの強さを残し、更にしなやかで俊敏な動きが可能になった。地を這うイメージから、戦闘機のような軽快な攻撃性を実現した。

そして2020年 、20台限定 俺のシグネチャーモデル ”MASTIFF BOUND ”



193㎝ワンサイズという長さ、この形状が合わない人もいるだろう。 しかし、見た目で合わないと思うより、なぜそうなのかという内面や歴史を知る事で見方が変わる場合もある。 近い例えで言えば、新車の良さもあれば、錆だらけの車の良さもある。そこから見える景色は変わらず、乗り手の想いが景色を変えるのだ。 自分のライフスタイルに合わせて、物を選ぶのは当たり前だが、物でライフスタイルが変化し、その先の人生観すら変えてしまう時もある。 一度手にしたMASTIFFは俺の身体と心に浸透し、一心同体と言い切れる相棒となり、今も昔も最前線で暴れている。 強引とも感じる動きや滑りの内面には、阿吽の呼吸とも言える繊細で緻密な繋がりがあるのだ。 現在、日本中のMASTIFF達は、どのように繋がりを持ち、滑っているのか知りたくなった。 いつかはその滑り手とMASTIFF達に会いに行きたいと思っている… 俺がMASTIFFを変わらず愛しているのは鎖縁なのかも知れない…。 繋がれた鎖は、歳を負うごとに太く強くなっていくもんなんだ。


*MASTIFF BOUNDは限定20台でWHITE TIME店頭またはWHITE TIME E-storeでお買い求めいただけます。


MASTIFF BOUND

SIZE: 193

SIDE CUT: 140-110-130

RADIUS: 29(193)

ショップでこのモデルを見る




MASTIFF

SIZE: 193

SIDE CUT: 140-110-130

RADIUS: 29(193)

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Text:Makoto Asakawa

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